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生クリームを泡立てようと思った瞬間、うちには泡立て器がないということに気が付いた。あるのは、サラダのドレッシング用の、小さな泡立て器。こんなもので180ccの生クリームが泡立てられるはずがない。早くもホイップクリームは諦めなくてはいけないのか。こんなにも早く構想は破綻してしまうのか。そんなの嫌だぁ。 |
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そこで、僕は考えた。無いのなら、作ってしまえ。取り出してきたのは、太さ1.5mmのスチールにビニール被覆された太さ2.2mmの針金。これは、一戸建て住宅の屋根にテレビのアンテナを設置する場合に、ポールが倒れないように四方から引っ張っておくときに使うもの(いわゆるステイ線)。丈夫だし、ビニール被覆されているので錆びにくく、手が臭くなったりすることもない。 普通の泡立て器の針金部分は、ステンレスでできている。そしてもう少し細い。これだと硬すぎて泡立てにくいかも知れない。 と、その程度のことを考えていた。 |
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そして、思ったほど苦労することもなく、ものの5分程で完成。針金の本数は、多いほど泡が立ちやすいのだろうが、多すぎても重くて使いにくいと考え、一般的な4本とした。 泡立ててみると、強度も問題なく、一見すると、全く問題ない。少々重い感じで、少し疲れるかもしれない。 しかし。 いつまで経っても一向にクリームの様子が変わらない。生クリームって、こんなに泡立てるの大変だったっけ?なんとか泡立てようと手の動きを早めるが、生クリームはバチャバチャと音を立てて飛び散るばかり。流しの中が白い斑点だらけ。 |
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自作泡立て器よりはマシとはいえ、この小さな泡立て器では埒が明かない。しばらく続けてみたが、やはり小さな泡立て器で最後まで行くのは無理のようだ。 細い針金は手元にないし、この状況を打開するのはどうすれば良いのか?何か打開策がないかと、周囲を見回したところ、見つけたのがコレ。 みかんのネット。 と、呼ぶかどうか知らないが、ハッサクや甘夏が入れられて売られている、あるいは、小学校の水道に石鹸を入れてぶら下がっている、アレである。 |
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これを自作泡立て器にかぶせるのだ。こうすることで、針金に相当する、生クリームを「切る」部分の太さは細くなる。そして、同時に、針金がいっぱいあるのと同じ効果があるのだ。 泡立ててみると、効果絶大。泡立て始めてすぐ、生クリームが粘度を増してきた。急に手が重くなる。新兵器の感触を味わうまでもなく、あっという間に泡立ってしまった。 |