やってみよう、たべてみよう

『ホイップクリーム大作戦』

2000/5/14

 僕は甘党。ケーキ大好き。中でもクリームが好き。ショートケーキだったら、上に載るイチゴが無くても良いからクリームが多いほうを選ぶ。
 特売のホットケーキミックスを買ったついでに、生クリームを購入。これを泡立てれば、思う存分生クリームが食べられる。
 さて、いざホットケーキを焼かんとする頃、先に生クリームを泡立てておこうと思った瞬間、事件は起きた。

泡立て器がない!

 生クリームを泡立てようと思った瞬間、うちには泡立て器がないということに気が付いた。あるのは、サラダのドレッシング用の、小さな泡立て器。こんなもので180ccの生クリームが泡立てられるはずがない。早くもホイップクリームは諦めなくてはいけないのか。こんなにも早く構想は破綻してしまうのか。そんなの嫌だぁ。

無ければ作ってしまおう

 そこで、僕は考えた。無いのなら、作ってしまえ。取り出してきたのは、太さ1.5mmのスチールにビニール被覆された太さ2.2mmの針金。これは、一戸建て住宅の屋根にテレビのアンテナを設置する場合に、ポールが倒れないように四方から引っ張っておくときに使うもの(いわゆるステイ線)。丈夫だし、ビニール被覆されているので錆びにくく、手が臭くなったりすることもない。
 普通の泡立て器の針金部分は、ステンレスでできている。そしてもう少し細い。これだと硬すぎて泡立てにくいかも知れない。
 と、その程度のことを考えていた。

容易に完成。しかし

 そして、思ったほど苦労することもなく、ものの5分程で完成。針金の本数は、多いほど泡が立ちやすいのだろうが、多すぎても重くて使いにくいと考え、一般的な4本とした。
 泡立ててみると、強度も問題なく、一見すると、全く問題ない。少々重い感じで、少し疲れるかもしれない。

しかし。

いつまで経っても一向にクリームの様子が変わらない。生クリームって、こんなに泡立てるの大変だったっけ?なんとか泡立てようと手の動きを早めるが、生クリームはバチャバチャと音を立てて飛び散るばかり。流しの中が白い斑点だらけ。

太すぎるとNG?

 自作泡立て器で泡立てると、普通の泡立て器で泡立てているときと何かが違うのだ。ともかく、生クリームが良くはねる。そして、よく見ると、泡が非常に大きい。

もしかすると、針金の太さとできる泡のサイズが関係しているのではないか?

そんなことを考え、先ほどのドレッシング用泡立て器を使ってみる。すると、普通のサイズの泡立て器とは比べものにならないが、少しずつだが見慣れたサイズの泡が立つではないか。自作泡立て器よりも、この小さな泡立て器のほうがちゃんと泡が立つ。

自作泡立て器は、小さな泡立て器に敗れた。

次なる作戦

 自作泡立て器よりはマシとはいえ、この小さな泡立て器では埒が明かない。しばらく続けてみたが、やはり小さな泡立て器で最後まで行くのは無理のようだ。
 細い針金は手元にないし、この状況を打開するのはどうすれば良いのか?何か打開策がないかと、周囲を見回したところ、見つけたのがコレ。

みかんのネット。

 と、呼ぶかどうか知らないが、ハッサクや甘夏が入れられて売られている、あるいは、小学校の水道に石鹸を入れてぶら下がっている、アレである。

効果絶大

 これを自作泡立て器にかぶせるのだ。こうすることで、針金に相当する、生クリームを「切る」部分の太さは細くなる。そして、同時に、針金がいっぱいあるのと同じ効果があるのだ。
 泡立ててみると、効果絶大。泡立て始めてすぐ、生クリームが粘度を増してきた。急に手が重くなる。新兵器の感触を味わうまでもなく、あっという間に泡立ってしまった。

成果報告求む

 もしかすると、今回はたまたま、新兵器を投入する時点で泡立つ寸前まで来ていた可能性も否定できない。是非とも再度挑戦してみたい。
 この作戦は、自作泡立て器に限らず、一般の泡立て器にも応用できる。これをご覧の皆様にも是非とも試していただきたい。


「やってみよう、たべてみよう」表紙『おれんちのばんごはん』表紙



Last Update : 2005/07/26 ◇  Copyright(C)